1 古地図を通して見る『六条村』の成立と変遷

      

7.大佛柳原庄田畑際目之図




刊行:安永4(1775)年
寸法:196.0cm×96.0cm
彩色:極彩色
所蔵:今村家
解説:本図は,妙法院領柳原庄の全景図である。鴨川の中洲にまでも土地の権利が記され,その左側に六条村,その西隣に天部村領が描かれ,その下方には,年貢地としての銭座村が元の耕作者名まで詳細に記されるなど,全体にわたりかなり正確に描かれている。
本図の発見により,柳原庄の範囲が従来考えていたよりも広いことが判明した。なお,「大佛」とあるのは,この地が豊国社(方広寺大佛殿)領であったことに由来するもので,同様の図が妙法院にも保存されている。




刊行:天保2(1831)年
版元:竹原好兵衛
寸法:179.0 cm×144.0 cm(縮尺5,000 分の1)
彩色:木版彩色刷
所蔵:大塚隆氏
解説:本図は,江戸時代後期の京都の基本図で,洛中の町名・小河川や洛内外の森林などが丹念に描かれており,「六条村」「銭座村」「水車小屋」が記載されている。
「柳原町史」によれば,この後,天保14(1843)年11月に,六条村佐兵衛らが,天部村役田地(六条村西隣)を借り受け大西組(小稲荷町)が開かれ,さらにまちづくりが進められた。

8.改正京町絵図細見大成洛中洛外町々小名全


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